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「理想的なブレード」とは何か、それを追求することで、当社は最新式ブレードSmoothie2 Vortex EdgeとFat2ブレードを開発いたしました。
見かけのイメージとは異なり、図1に示すように、ドライブ中のブレードそのものはほとんどその位置を変えません。ボートを船台に無理やり固定しない限り、基本的にはブレードのエントリーからの位置は図2のようになります。
図1:想定されるブレードの動き
図2:基本的なブレードの動き
以下に、実際のブレードの動きを撮影した動画を利用したブレードパスを示します。
我々は典型的なブレードパスを以下のように4つのフェーズに分けて定義しました。
典型的なブレードパスを定義することで、理想的なブレードを理論的に考察することが可能になり、ドライブ効率の追求が可能になります。
ボートの動きはブレードパスに影響を与え、ブレードの動きは理想ブレードの特徴によって決まることを前提として、理想ブレードの軌道をプロットしました。ボートのスピードは典型的な場合の軌道に揃えており、オールロックの位置は同じとなります。図3をご覧ください。
図3 理想的なブレードパス
図4には、理想ブレードパス(緑)と典型パス(赤)の比較を示します。
まず、円で示されるハンドルの位置を変更した場合について調べてみましょう。理想ブレードはストロークが完全に終わっていないように見えたので、アウトボードを短くしました。その結果を図5に示します。
図4
図5
二つのブレードパスを比較した後、理想的なオールは回転が遅くても、ドライブの後半で加速しているということが分りました。
これは漕手にとっては、キャッチの段階で重く感じ、ハーフローを過ぎた地点から軽くなるのが良いということになります。科学的に考えれば、脚から腕まで全身を使うキャッチの地点で最も力を使い、上半身のみしか使えない後半が軽くなるのが理想的、というのは理にかなったことです。
オールが短くなったので、キャッチ角やフィニッシュ角をそろえ、典型的ブレードパスとドライブ所要時間をそろえることを考えました。艇が同じ距離だけ動くということは、オールによらず同じスピードで進むということになりますが、これはてこの原理から短くなった分だけ、必要な力が減ったということです。あるいは、同じ力を加えることが出来れば、より加速できるということも意味しています。
少ない力で同じスピードが出せる
同じ力ならより大きなスピードを出せる
オールの回転におけるブレードの動きを観察する中で、理想ブレードに近づくほどスリップが少ないということが分りました。下の図をご覧ください。右が理想ブレードのものです。
また、典型的ブレードは前半により大きくスリップするということが分りました。赤いエリアがバックウォーターの発生、すなわちシャフトに近いブレードに負の水力がかかってしまっていることを示します。これはブレードの回転とボートの推進によって発生するものです。
典型的ブレード 理想ブレード
効率的なブレードの実現について考察を重ね、我々は新たなブレードの開発を始めております。
当社では、これらの特徴をSmoothie2 Vortex EdgeやFat2ブレードにおりこみ、過去最高の性能を実現いたしました。水上テストについても、詳細を是非ご覧ください。