ダンパーのセッティングにかんする勘違い
多くの方がダンパーを抵抗力の大きさの設定だと誤解しています。しかし、運動の強度を決めるのはあなた自身です。すなわち、脚・背中・腕の筋力をどれだけ伝えるかが重要になります。ダンパーのレベルに抵抗の大きさは関係ありません。フライホイールの回転が速くなれば、それだけ抵抗も大きくなります。
これは水上で考えるとわかりやすいかもしれません。レースように設計されたシェル艇であろうと、公園ボートであろうと、力を加えなければ艇が進まないということに変わりはありません。ただ、艇の加速感に差が生じます。競技用のボートでは、艇を進めるためにスピードのある漕ぎが必要とされますが、公園ボートではゆっくりと力を加えることが多いかと思います。
ダンパーの設定が1-4では、レース用のシェル艇を漕いでいるような感覚となり、それより大きいダンパーは、公園ボートを漕ぐようなイメージです。設定値にかかわらず、強度を上げるためには、自分で努力しなければいけません。
ドラッグファクター – 努力値を正しく見積もるために。
ダンパーの数値設定を高くすることで、記録を伸ばすことができると考える人がいるかもしれません。これを確かめるために、パフォーマンスモニターが役に立ちます。
各ストロークの間において、PMはどのくらいその「艇」が滑らかに進んでいるか、減速しているかを測定します。この減速量の測定がドラッグファクターと呼ばれるものです。次のストロークでは、PMはドラッグファクターを用いてあなたのストローク強度を計算します。このようにして、ダンパーのセッティングにかかわらず、正しいスコアが算出されるのです。この自己調整システムにより、多くの大会での公平性が保たれています。
エルゴメーターによって、ドラッグファクターのレンジは多少異なります。普段使うエルゴのダンパーが3であっても、それが別のエルゴでは4のものであるように感じることがあるかもしれません。気温や、空気に混入している物質によってもドラッグファクターは変化しまう。異なるマシンを使用するときにはドラッグファクターを確認してみるのがよいでしょう。詳しくは、ドラッグファクターの確認方法の項をご確認ください。
どのダンパーを使うべきか
何回か実験を繰り返すことで、最適なダンパーはすぐに見つかると思いますが、はじめは3から5の間に設定することをお勧めします。技術を身につけることに集中する場合には、ひくい数値にしたほうが良いでしょう。あまり高く設定しすぎると、体がエネルギーを利用しきる前に、筋肉を壊すことにつながります。パフォーマンスモニターは1ストロークごとにフィードバックが表示されますから、最適なダンパーを選ぶヒントにしてください。
トレーニングの目的に応じてダンパーの設定を変えることも必要です。一般に、持久力の向上を目的とした有酸素系のトレーニングには低いダンパーが、強度の高さを求めるトレーニングには高いダンパーが有効となります。